【解説】ファンビジネスは企業こそ検討すべき!3つのメリットや事例を紹介

「ファンビジネスって企業でもできるの?」
「ファンマーケティングという言葉をきくけど、具体的な方法は?」
「ファンってつまりどういうこと?」

マーケティングの手法が、数字重視のものからユーザーとの繋がり重視のものへと変化してきました。企業も個人も、ファンビジネスという新たなフェーズに移ろうとしています。

とはいえ「これからはファンの時代!」といきなり言われても、わからないことだらけですよね。

そこでこの記事ではファンビジネスに疑問を持っている方のために、以下のことを詳しく解説していきます。

  • ファンビジネスの意味
  • メリット
  • 具体的な方法
  • ファンビジネスの舞台
  • 成功事例

結論からお伝えすると、ファンビジネスは個人に限ったマーケティングではありません!うまく顧客をファン化することで、企業の売上が安定するなどメリットがたくさんあります!
記事内ではさらに多くのメリットやファンづくりの進め方を紹介していくので、ぜひ参考にしてください!

新しい集客の形「ファンビジネス」とは

ファンビジネスを簡単にいうと、熱狂的なファンを売り上げの土台(ベース)とするマーケティング方法です。企業活動の中ではファンベースマーケティングとも呼ばれています。

従来のマーケティングでは、新しいターゲットを中心に「広い新規顧客開拓」を行ってきました。とはいえ、現在の日本では人口の増加が伸び悩み、限られた見込み顧客を企業同士が奪い合う構図となっています。

そこでファンビジネスでは「狭く深いファンの抱え込み」をマーケティングの課題としているのです。

キングコング西野さんは顧客とファンの違いについて以下のように表現しています。

顧客っていうのはサービスを愛してくれる人。
一方ファンはサービス提供者を愛してくれる人。

2020年8月3日放送分Voicyより(参考:キンコン西野さん公認のVoicy CH

ここでいうサービス提供者は個人に限らず、企業のことも含めます。

ファンビジネスは、すぐに結果が生まれるマーケティング方法ではありません。

しかし企業の価値観や事業に共感してくれたファンを大切にすれば、長期的に応援してくれる心強い味方に成長します。

「同じ商品を買うなら、ぜひこの企業から」「信頼できるこの企業なら、選択に間違いは無いだろう」と、ファンが自ら自社を指名してくれるような関係性を築きましょう。

 売上を伸ばすならファンビジネスは必須

ファンビジネスをおすすめする大きな理由は、ファンの存在が売り上げ成長に直結するからです。

売り上げを支えるベースとなるのは少数の熱狂的なファンであると、パレートの法則(2:8の法則)で明らかになっています。

この法則は、たった2割の上位顧客が企業活動の8割を支えているとするもの。2割の上位顧客が、まさに企業のファンを表しているのです。

売り上げ増加の具体的なイメージは次の3段階。

  1. 1度ファンになってくれた顧客との関係を強化する
  2. 最初は1つの購入が当たり前だった人も、複数買いを前提としてくれるよう教育
  3. 売り上げの成長

コアなファンひとりあたりのライフタイムバリュー(顧客1人が生み出す価値)の増加を意識すれば、売り上げは安定的に伸びることでしょう。

ファンビジネスのメリット

ファンビジネスを行うことで、売り上げ増加以外にも良い影響が多くあります。ここでは、3つのメリットを紹介します。

  • 売り上げの予想が立てやすい
  • ファンが新規顧客開拓してくれる
  • 顧客の質が向上する

それぞれ簡単に確認してみましょう。

【メリット1】売り上げの予想が立てやすい

ファンビジネスが上手くいくと、売り上げの予想が立てやすくなります。

なぜなら販売活動を繰り返すうちに、コアなファンの数が明らかになるからです。毎回のように反応してくれるファンの数を元にすれば、最低限望める売り上げが簡単に予想できるようになりますよ。

生産数の参考にすれば、無駄のない経営が可能です。

【メリット2】ファンが新規顧客開拓してくれる

新規顧客の開拓が一部自動化できます。

ファンによる口コミや拡散による情報伝達が期待できるからです。

  • 好きなブランドの感想をSNS にシェア
  • 口コミサイトへの好意的な書き込み
  • 企業のSNSを支持し、情報の拡散を手助け

これにより、販促コストをかけずに多くの見込み顧客にリーチできます。

このような効果による宣伝手法は、バイラルマーケティングとも呼ばれる立派な戦略。魅力的な商品をファンに提供し「ぜひ知人に紹介したい!」と思わせるのが理想です。

【メリット3】顧客の質が向上する

ビジネスのレベルを一段階上げるためには、顧客の質も重要です。クレームだらけになってしまえば対応コストもかかります。

しかし、ファンビジネスをうまくおこなえば、顧客の質の向上も望めますよ。

一度深いファンになったユーザーは、簡単には企業への信頼を失いません。もし企業にトラブルや風評被害があっても、長い付き合いのファンが回復を手助けしてくれるでしょう。

ファンビジネスの具体的な方法

ここからは、どのようにファンを拡大したり売り上げにつなげれたりすれば良いのか、具体的な方法を紹介します。

  1. ファンを一か所に集める
  2. 明確なビジョンをファンと共有する
  3. とにかく価値を与える
  4. 積極的に交流する
  5. コンタクトポイントを増やす

それぞれ意識してファンビジネスを進めましょう。

【方法1】ファンを1つの場所に集める

まずは、ファンを1つの場所に集めることをおすすめします。公式SNSや専用サイトを活用し、自社運営のプラットフォームにファンからの注目を集めましょう。

企業の管理が行き届かないところにファンがバラけていると、ファンビジネスは上手くいきません。ファンの居場所が分散していると情報発信や管理の手間が増える恐れがあるからです。

例えば自動車メーカーのHondaでは、公式のファンサイトに様々な情報を集約しています。限定壁紙の配布や歴史を振り返るクイズを行い、楽しみの場を提供する戦略です。

ファンにとっても、情報収集を習慣化するきっかけになったり、応援する場所として活用したりできますよ。

【方法2】明確なビジョンをファンと共有する

明確なビジョンをファンとともに共有しましょう。

ファンは単に商品を気に入ったのではなく、企業のブランドイメージや個人の考え方に惹かれて集まった集団だからです。

ビジョンへの共感や関心を集め「この企業のいうことなら間違い無いだろう」と感じてもらえれば、ファンとの結束はより強いものになりますよ。

ビジョンの共有が上手くいっている企業としては、The Body Shopがあります。The Body Shopは化粧品分野での動物実験への反対を企業理念として掲げています。

会社の考え方に賛同したファンはThe Body Shopでの購入を通して署名や寄付を行い、一丸となって企業のポリシーを尊重しているのです。

このようにファンと気持ちを1つにできれば、企業の売り上げを助けるだけでなく活動の支援も得られるでしょう。

【方法3】とにかく価値を与える

ファンを繋ぎ止めたり新たに獲得したりするためにも、価値を与え続けましょう。

期待を超え続け、企業や個人を支持するメリットをファンに理解してもらうためです。商品によるベネフィットに限らず、一見すると利益にならないようなファンへの大盤振る舞いも時には必要。

この考え方を実践し結果につなげているのが、化粧品業界です。

気になる商品がある見込み顧客に対し、スタッフの手でメイクやスキンケアをサービスで施してくれるのです。

サービスを通してブランドや商品のファンに変化し、見込み顧客は購入を検討してくれます。

ビジネスを「消費者への売り込み」から「ファンへのgiveの精神」に切り替えましょう。

【方法4】積極的に交流する

ファンとの交流を積極的に行いましょう。意見に耳を傾けることやSNSの運用を通して、ファンとの距離を縮めるのです。

そうするとファンが本当に求めることが浮かび上がり、今後の企業活動に役立てられます。ファンにとっては交流を通して特別感を感じ、さらに応援しようと思うきっかけになるでしょう。

特に交流の場としておすすめなのがファンミーティング。商品を買ってくださった方を対象に、招待する場を作るのが良いでしょう。

ファンとの密な交流以外に、意見の吸い上げ手段としても優れた手法です。

自社ブランドや製品が好きな人達を集めて気持ちを盛り上げることで、アンケートやインタビューでは明らかにならなかった深い感情がクリアになりますよ。

交流やイベントを通して関係を強化しながら、ファン同士のやり取りからも学びを得ましょう。

【方法5】コンタクトポイントを増やす

ファンとのコンタクトポイントを多めに持つこともおすすめします。

なぜなら、顧客の趣味や好みは千差万別だからです。インターネットなどを通して情報収集の方法が多様化した今、売り上げを支える2割の顧客が全員1つのプラットフォームに集中しているとは限りません。

複数のコンタクトポイントから情報発信し、ファン化のチャンスを増やすことが大切です。

ファンと接触する手段は、次の章で詳しく解説します。

ファンビジネスの舞台5選

繰り返しになりますが、ファンを呼び込む舞台は複数もつのが得策です。

ここでは、ファンビジネスに使える舞台を6つ紹介します。

  • SNS
  • オンラインサロン
  • ファンクラブ
  • ライブ配信
  • 限定イベント
  • YouTube

1.SNS

SNSのポイントは、日常への浸透度と拡散性

SNSでファンの獲得を進めている代表的なブランドが、ランコム(化粧品ブランド)です。ランコムではTwitterやInstagramに寄せられた購入報告に手紙のような丁寧な返信をして、ファンビジネスを進めています。

大きな企業から返信が届くのはまだ珍しいことなので、受け取ったユーザーはSNS投稿のネタにしてくれるのです。

日常的に目を通すSNSでこのような情報が流れてきたら、企業と今まで接点がなかったユーザーまでファン化するチャンスになるでしょう。

2.オンラインサロン

オンラインサロンとは、月額会費を払っている限られたユーザーのみがやりとりできるクローズドなコミュニティです。

個人でファンビジネスを行っている方は、よくオンラインサロンを活用しています。

オンラインサロンでは、SNSなどよりも狭い範囲で直接的な交流ができるので、ファンと深い関係を築きやすいのです。

また、オンラインサロンに集まったファン同士でも積極的な関係構築が行われます。

「お金を払ってでもその人と考えを共有したい!」というファンが自然と集まるため、オンラインサロンのメンバーにオファーした商品は成約率が上がりやすくなりますよ。

3.ファンクラブ

ファンクラブは、古くから使われるファンビジネスの手法です。

主に企業が芸能人のファンを集める目的で結成されますが、最近ではインターネットサービスで個人でもファンクラブが簡単に作れるようになりました。

多くの場合ファンを月額制で会員を集め、オリジナルの会報やチケットの先行抽選権が与えられます。オンラインサロンと同じ理由から、チケットやグッズの購入率は非会員よりも上がりやすくなります。

4.ライブ配信

ライブ配信は、インターネットを通して個人や企業が生放送を行う活動のこと。

リアルタイムでファンとの時間を共有できます。

企業ではライブ配信中に商品紹介をする「ライブコマース」を行うことも。ライブコマースで気に入った商品があれば、その場で購入できるよう導線を設置しています。

臨場感を生かして購買欲を高め、成約率を上げています。

売り上げ目的でない放送でも、自宅からでも簡単に参加できるライブ配信はアピールの場として有効です。

5.限定イベント

限定イベントでは、ファンと直接顔を合わせながら体験を共有できます。

例えば、各社次のようなイベントをファンのために企画しています。

  • ファンミーティング
  • 展示会
  • 新製品発表会
  • ワークショップ
  • コンサートや講演会

限定イベントをうまく活用している例は、AKB48系列のアイドルグループです。

新作のCDを購入して握手券を手に入れると、オフラインイベントに参加できるのです。

ファンにとっては憧れのアイドルと握手ができるという機会はまさに特別なもの。ファンにイベントによる満足感を与えるのと引き換えに、同時に会場限定グッズなどの売り上げを相乗的に伸ばしています。

6.YouTube

YouTubeでも、個人だけでなく企業もファンビジネスを進めています。

動画というコンテンツの特性上、YouTubeはインターネットのどのプラットフォームよりも多くの情報が伝えられます。

動画を通して情報発信者の表情や人柄が感じられファンを獲得するのに向いているツールなのです。

具体的に他のSNSと比較すると、2020年11月時点で日本で上位10アカウントのファン数の平均は以下のような結果です。

  • Twitter:638万人
  • YouTube:733万人

ファンの平均人数に100万人近い差が開いていることがわかります。

(参考:ユーチュラ,meyou

ファンの人数を集めたい場合、YouTubeの利用がおすすめです。

なお、YouTubeを始めてみたいけれど何からすべきかわからない方は、当メディア運営元の「もふもふ不動産」が運営する「ビジネス系YouTubeの学校」がおすすめ。チャンネル登録者数26万人を誇るビジネス系YouTuber「もふ社長」が蓄えたノウハウを直接学べるオンライン講義です。

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個人でのファンビジネス成功事例

ここからはファンビジネスの成功事例を解説します。

まず紹介するのは、個人でファンマーケティングを展開している2人です。

  • 箕輪厚介さん
  • 西野亮廣さん

【個人の事例1】箕輪厚介さん

箕輪厚介さんは、幻冬舎(出版)の編集者をしている方です。

個人ながらSNSでの発信やテレビ出演を通してファンを集め、書籍の販売数が減少する中でも書籍の売り上げを伸ばし続けています。

本が売れる理由は「箕輪厚介さんが手掛けた本だから」の一言。まさにファンビジネスの手本のような購入動機です。

自身のオンラインサロンでイベントも行いながら、求心力を高めています。

【個人の事例2】西野亮廣さん

お笑い芸人としてデビューした西野亮廣さんは、芸能活動だけでなくファンビジネスでも成功をおさめています。

エンタメビジネスに関する考えをラジオ配信やnoteで発信し、ファンの獲得に成功。オンラインサロンに集まったファンには仕事の発注も行い、ファンからの厚い支持を得ました。

自身が行うクラウドファンディングでは、影響力を生かして毎回大きな成功を重ねています。

法人のファンビジネス成功事例

次に法人によるファンビジネスの成功事例を紹介します。

  • ネスレ日本株式会社
  • H&M Japan

【法人の事例1】ネスレ日本株式会社

ネスレ日本株式会社でファンビジネスを取り入れたのは、ネスカフェアンバサダーの事業です。

ネスカフェアンバサダーとは、コーヒーメーカーの無料レンタルプログラムのこと。会社単位で企画に申込み、職場にコーヒーメーカーを設置できます。職場でコーヒーを飲んでネスカフェのファンになった方に、自宅用にもコーヒーメーカーを購入してもらう戦略をとっています。

また、ネスレではファンミーティングも積極的に開催。

イベントを通してファンと向き合うことで新たな企画が生まれたり、事業の改善に役立てたりしています。

【法人の事例2】H&M Japan

ファッションブランドのH&Mではファンに特別感のある体験を提供し、ファンビジネスを行っています。

その内容は、一般には非公開のVIP向けパーティやファッションショーにファンを招待するというもの。

企画に当選したファンは、熱のこもった感想をSNSや口コミでシェアしてくれるのです。ブランドのイメージの向上や、ファンを発信源にした宣伝が見込めます。

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